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「僕らはこれでメシを食う。」展示作品紹介
破月ミラ
liberation
――もう縛られてなんかやらない。
うつ病というのは息をするのも億劫で、とにかくなんにもしたくないものです。いくらか鎖を噛み切った僕には「解放されたければまず行動」という実感があるのですが、これは噛み切った後だから言えることです。うつ病の身でなにか行動を起こすというのは本当に滅法すこぶる難しい。
どうか身じろぎひとつでも褒めてください。鎖に牙が届くまで、少しずつ身をよじるので。
eclipse
―――輝いているのはお前ばかりだ。
天体が好きです。特に月が好きです。どんなに眩しくきれいに輝いていても借り物の光でしかなくて、たまに食らいついてみても結局輝くのは太陽の光というのが陰鬱で、それでもなお輝くのがいとおしい。
mikuri
【みくりが池】
室堂最大、最深の池。「みくり」は「御厨」と書き、「神の厨房」という意味。
この池の
水は立山権現に捧げられ、立山権現に捧げる料理もこの池の水で作られた。
葵
ベール
モノクロな少年の周りに、カラフルなベールが漂っているイラストです。まだ自分の可能性に気付いていない少年。ベールはその可能性を表しており、近くをずっと漂っている。
少年の目が輝いているのは、もうすぐベールに気が付く証拠。
青の病
少年は左目から青い花が咲く病に掛かりました。痛みはないが、片目しか使えないのは不便だと思っているようです。
資料を観察しつつ、オリジナルの花になるように描きました。グロー効果(肌等が発光して見える手法)を使い、ふんわりとした幻想的な絵に仕上げました。
お菓子な王子様
可愛く美しいお菓子の国の王子様です。
龍のひげ飴のような髪、マシュマロのように白く柔らかい肌をしています。飴細工の装飾を多く身に着けております…彼は飴好きなのかもしれません。
飴の透明感や輝きを意識しながら塗りました。とても楽しかったです。
うえだ
利家とまつ
富山・石川での展覧会に出展する絵として、地域に縁のある武将・前田利家を選出しました。
前田利家の領地経営や戦働きを、妻・まつは内助の功で支えていました。当時としては珍しい恋愛結婚の末、11人の子をもうけた事も知られています。
幽世
彼岸花
イラストのテーマは「彼岸を断つ」です。
タイトルである彼岸花の彼岸は、この作品では「死」の象徴として扱っています。うしろに抜刀した人物がいて、その抜き身の刃は彼岸花を斬るためのものです。つまり「死を斬る」。これが私にとっての「彼岸を断つ」イメージでした。
背景が暗いのは常世ではなく幽冥の雰囲気を出したかったからです。
かはたれ色の勾玉
識と静寂
他者との関わりは恐ろしいものです。踏み込まれるほど感情が荒ぶり疲労感を覚えます。居心地の悪い煩さから解放される為、無関心という静寂を選ぶのです。街並みから離れた上層の足場は女の子の心の距離を表しました。
街に優しい陽光が当たる中、女の子は温もりから隠れるように帽子を押さえました。
厄(わざわい)
誰もが知っている”人に刃を向けてはいけない。”
私に刺してきた善意が故の針たち。「違う」「あなたの発言を受け入れたくない」そう言いたくても私の中に正当性は無いのです。
心中が低迷しながら膨らんでいく憎悪。それは何に対してでしょうか?
行き場のない憎悪の針は周囲に向けられました。標的にされた方にとっては禍いでしょう。
ですが制御出来なかった結果の惨状は、ある意味本人への厄でしょう。
衝動
ひねくれた感性は熟考の渦に飲み込まれていきます。
誰が悪い?何が悪い?何故苦しい?と、考える度、自業自得にたどり着きます。
それでありながら耐え難くて解放されたい。このままじゃ逃れられないので掻き消すための強い衝撃を求めてしまいます。
その結果、後先を考えずこの両手で脳を叩き砕きたい衝動に駆られたのでした。